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ご挨拶
当園は、1972年 (昭和47年)会社の託児所として開所され、二年後、当時雇われ園長をしていた関係で引き継ぎを頼まれたのがエンゼル保育園のスタートになります。引き継ぎ時、多額の資金が工面できず、大勢の園児を抱え、途方にくれていた時、最終的には私の姉が「どうせ返済は無理でしょうけど…」と云って、渋々贈与の型で出資してくれた事が現在の保育園の始まりでもあります。横浜市の認定園になるまでは長く厳しい無認可と云う基盤の上で、人の倍働いて当り前、園長とは名ばかりで、保育現場で働きながら給食づくり、その間に入所面接から連絡帳書きまで…。この様な状態で果たして良い保育ができていたか疑問ではありますが、たとえ、「オーイ船がでるぞ~」の保育であっても、不思議と子ども達や保育士達の中には常に笑いがありました 。待ってくれない元気な子ども達の活動と、目が回るほどの保育がかみ合わず、最後には爆笑で終わるのです。とどの様に疲れていても子ども達が与えてくれたその笑いこそ、保育者だけにしか分からない幸福なひと時であったような気も致します。
その様な中、幾度か存続の危機に見舞われたこともありますが、その度、保護者の温かいひと言ひと言に励まされ、又薄給ながら大きな事故も 無く、子どもを見守ってくれた長年に及ぶ多くの職員達の愛情と熱意で今 の保育園が成り立っているのだと言っても過言ではありません。この場を借りて職員達に心から感謝の意を伝えたいと思います。
エンゼルの保育方針であります「家庭的な雰囲気の中で」の保育目標は、昔も今も変わることがありません。その意図は、私の幼い日の記憶が原点でもあります。親戚の結婚式の帰り際豪雨になり、初めて私たち姉妹は親と離れ泊まることになりました。堪えようとすればするほど鳴咽が止まらず、布団をかぶって泣いた日の事が、この年になっても鮮明に思い出されるのです。子ども達にとって親とは絶対的な存在であり、又、親の愛に勝るものはありません。その家庭から、突然保育園と云う未知の世界へ踏み入れた時の子どもの心理を、その日の自分に重ね、家庭の温もりを感じる園であることを願い、エンゼルの保育目標に揚げたものです。「三つ子の魂百まで」と諺にもありますように、幼児期は人間形成の最も大切な時期、又無限の可能性を秘めています。この大切な時期に一日の大半を園でお預かりする責任の重さを感じますが、保育園は家庭と同じ、くつろげる場として、保護者と同じように、愛し、慈しみ、育てて参りたいと思います。そして、皆様のご指導を仰ぎながら厳しい保育行政に対応しつつ、これからも保育園を運営して参る所存であります。何時の時代も子ども達が健やかに育つよう、今後共ご指導、ご鞭棲のほど宜しくお願い申し上げます 。(※エンゼル保育園30周年記念誌より抜粋)
特定非営利活動法人グランディール
理事長 大川内 美知子
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